60余年の生涯
先週の水曜日ですが、東京も台風15号の影響を受けて、強風が吹き荒れておりました。
当日は、午後3時頃には事務所を出て、京王線で自宅に戻りましたが、夕方からの大風で、自邸モグラハウスもかなり揺れました。とくに、中庭の2階、ガラス窓が揺らいで見えた位、ブルブルと共振していました。
これは、すごい風圧だぞと肌で感じておりましたが、今日の写真は、その翌日の結果です。
いつものように、翌日も台風一過で、善福寺公園に沿った道を自転車で走っておりましたが、右手の川沿いの遊歩道に大きな木が数本、倒れていたのですね。
それが、写真の桜の木になりますが、写真を撮ったのは、数日後になります。
ですので、木の大部分は、かたずけられていて、幹の根本部分が残っておりました。
年輪が見えておりますので、ざっと数えてみたら、60年位経過したようですね。
おそらく、戦後、ここに植えられたのではないでしょうか。
3本程、同じように倒れていた中で、一番大きな桜の木になります。
切り株を手で、そっとなぜた感覚は、温かいものでした。
この木は、多くの川沿いの1本ですが、ここで60余年の生涯を閉じたことになります。
終戦後の、貧しくても自由を手に入れた時代の息吹、その後、高度経済成長期を経験して、豊かになった時代の勢い、そして、物質から精神的な豊かさへの見直し、高度情報産業社会の出現・先端技術革命の時代、その行きつく先は、どうなるのか、誰ひとりとして、確かなものが見えてこない現在まで。
この桜の樹は、見てきたのですね。これから、私たちは何を頼りに生きていけばよいのでしょうか。
ぜひ、意思があるのなら、この大木に聞いてみたい。
長い間、善福寺公園のお花見をさせて頂き、本当にありがとうございます。