天の梯子(そらのかけはし)

2009年5月15日発売の文庫本「八朔の雪」から、5年目にして、とうとう10巻目の完結を迎えた、高田郁著:みをつくし料理帖シリーズです。
今回のタイトルが「天の梯子」になります。

江戸時代で、女料理人の澪(みを)が主人公ですが、テレビドラマ化されて、おそらくトータルで数百万部の売り上げがあるかと思われます。

ここで、登場する主人公を含めて、誰もが発する心から納得するセリフ、文章のうまさが全ての巻に感じられるのですね。
これだけの文章、江戸庶民の生き様の描き方、とくに食に関するセリフ、表現、おそらく、いままでの時代小説にはないと思いますが、いかがでしょうか。

また、今のテレビ局のドラマ作家、脚本家に問いたいですが、この本、文章を読んでどんな感想を持つのでしょうか。

ストリーも重要ですが、もっと大切なものが、セリフの中にあるのですね。
あるテレビ局が、月9で盛んに宣伝しているドラマがありますが、あそこで出てくるセリフ、脚本とは天と地ほどの差があるのですね。

本当に良いものは、これからも、読者の心の中で生き続けるはずです。

本日は、狭小住宅とは関連がない話になりましたが、さて最終巻の顛末はどうなるのでしょうか。
みをの願いが、天に届くこと期待しております。

天の梯 みをつくし料理帖