ローマの休日
「ローマの休日」おそらく、この映画を観たことがない人はいないというくらい有名な映画です。
なぜ、これほどこの映画は、こころに残るのでしょうか。
オードリー・ヘプバーンとグレゴリーペックの会話のやり取りを聴いていると、二人の声音が心地良い、音楽のような響きであることが分かります。
お互いを気使う、やさいい言葉、思いが出ているのですね。
もちろん、身分、育ち、環境が異なる二人ですが、この様に自然に言葉が出てくるというのは、あの時代だから可能だったのではないでしょうか。
映画全体に通じる、ゆったりとした風景の流れ、そして最後の別れのシーンで何度観ても、目頭が熱くなるのは、なぜでしょうか。
翻って、現在の世の中を見てみると、インターネット・携帯・アイポッドなど、便利なもので、あふれていますが、なぜかオードリーヘプバーンとグレゴリーペックが見つかりません。
人間の声は、いったいどこに行ってしまったのでしょうか。
いつか、どこかで、おそらく、阿佐ヶ谷か西荻窪の喫茶店で、この二人に出会えたら、うれしいですね。
そして、最後に、落ちとして、自邸狭小住宅も、実はローマの休日と同じで、ノスタルジーの現われでもあります。
それが形を変えて、現代の町家(モグラハウス)となったわけです。