奥行き2間半の室内

皆様、ここ数日、東京でも雪が降ったりして寒い日々が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

私も、昼は日が差すのでまだしも、夜は自転車に乗ると、非常に寒さがこたえますので、自転車にのる機会が減ってきております。

さて、今年になり、初めて2冊の文庫本を先日、新宿の南口、紀伊国屋書店で購入しました。

1冊目は、洋書でLINCOLN CHILD著の「Terminal Freeze」、2冊目は文庫本で、高田 郁(たかだ かおる)著「八朔の雪」 (はっさくのゆき)というタイトルです。

この八朔の雪という本ですが、主人公の澪が住む、神田金沢町の割り長屋・奥行きが2間半で、現在の約4.5mの室内となります。いわゆる、狭小住宅ですね。時代小説ですが、庶民が主人公です。

この長屋に、澪と御寮さんの二人住まいですが、まずしいながら、希望を失うことなく生きる主人公の姿が出色です。

昨年の本屋さんが勧める本の中でもトップの小説ですので、期待して読んでいる最中ですが、出だしからして、主人公、澪の生き方、人柄に胸が熱くなります。

この本は、決して作者の技巧とか、専門性とかが伺える本ではありませんが、登場人物の一言、一言が、どれも胸を打つものばかりです。

あらすじは、伏せておきますが、料理人が主人公ですので、登場する料理のひとつひとつが、とても、おいしそうでいて、なんと豊かな味わいを感じさせてくれるのでしょうか。

ぜひ、皆様にもお勧めしたい1冊です。